COMET実験は、ミューオンから電子へのコヒーレントなニュートリノなし転換 $\mu^{-} + N(A,Z) \rightarrow e^- + N(A,Z)$ を、現在公表されている限界値の約10000倍の精度で探索する実験で、2027年の運転開始を目標に準備が進められています。当研究室では、深層学習を用いた手法の研究を通して、目標感度達成を目指しています。さらに、実験開始までの研究で利用されるシミュレーションの計算コストが膨大である課題に対し、統計モデルを用いた効率化について研究しています。
COMET実験
荷電レプトンフレーバー数の破れ(CLFV)の高感度探索
ニュートリノ振動の現象論
ニュートリノ振動を用いた標準模型を超えた新物理探索、ニュートリノ振動を応用した太陽内部構造の探索
ニュートリノ振動とは、ニュートリノが飛行する間にその質量によって、フレーバー(種類)が変化する現象のことです。ニュートリノは未だ謎の多い素粒子で、特にニュートリノ質量は重要な未解決問題の1つです。したがって、ニュートリノ振動はニュートリノ質量解明のための手掛かりの1つとなっています。また、ニュートリノ振動の性質を応用することによって、太陽内部の光学的に観測が不可能な領域を探索することができます。これによって、太陽内部構造に関して、天文学的に新しい知見を与えることになります。
統一理論
この宇宙の相互作用を統一的に理解する
統一理論は、自然界に働く力が本来はひとつの法則から生まれているという考えに基づく研究です。電気を扱う電磁力、放射線や崩壊現象に関わる弱い力、原子核を結びつける強い力は、現在は別々の法則で記述されています。しかし、初期の宇宙のような極限状況では、これらが一つの力として振る舞っていた可能性があります。この研究では、粒子の種類がどのように分類されるか、新しい対称性(秩序の仕組み)が存在するかなどを理論的に検討し、実験が検証できる予測を導くことを目指しています。長期的には、宇宙の始まりや空間の構造そのものへの理解を深める基盤となります。
荷電レプトンの物理
電子と似た粒子の性質の研究
荷電レプトンとは、電気を帯びた3種類の軽い粒子、すなわち電子・ミューオン・タウ粒子を指します。これらは見た目の性質はよく似ていますが、質量や寿命が異なり、その違いが粒子の根本的な成り立ちに関係していると考えられています。特に注目されているのは、これらの粒子の振る舞いが、既存の理論では説明できない微小な差を示す場合です。例えば、ミューオンが示す磁気的性質のずれや、粒子の種類が変化する可能性などは、新しい粒子の存在や未知の相互作用の兆候とみなされています。この分野の研究は、最先端の加速器実験、精密測定、高度な理論モデルの発展を通じて、標準模型を上回る物理の存在を探そうとしています。
素粒子論的宇宙論
初期宇宙は粒子が満ち満ちた世界。素粒子物理学で宇宙の成り立ちに迫ります!
素粒子論的宇宙とは、宇宙の歴史を最小の粒子たちの性質から理解しようとする研究分野です。誕生直後の宇宙では極めて高温・高エネルギーの環境下で粒子同士が互いに相互作用していました。この素過程についての理論的考察と加速器実験から得られる知見のシナジーにより宇宙の起源と歴史についての示唆を引き出すことを目指しています。
暗黒物質・構造形成
この宇宙の大域的な構造の物理
宇宙観測に立脚して、暗黒物質のつくる階層構造や放射のの定式化・解析を進めることで素粒子論的な暗黒物質の性質に迫ります。