本研究室の廣島渚准教授が第7回米沢富美子記念賞を受賞しました。
- 業績名 : 宇宙物理学的手法を用いた暗黒物質の理論的研究
- リンク : 日本物理学会・第7回(2026年)米沢富美子記念賞受賞者のページ
受賞理由(日本物理学会より)
廣島渚氏は、現代物理学における重要な未解決問題のひとつである暗黒物質に関して、宇宙物理学と素粒子物理学にまたがる独創的な理論研究を展開している。
宇宙における暗黒物質探査の上で重要な鍵の一つが、暗黒物質ハローの理解である。廣島氏は、宇宙における暗黒物質ハローのサブ構造の進化をモデル化する解析的方法を開発した。地球サイズから銀河団のハローに至るまでの様々なスケールでの N 体シミュレーションの結果と比較することで、廣島氏が提案したモデルが任意のホスト質量や赤方偏移に対して有効であり、様々なスケールにおいて数値シミュレーションと一致することが示されている。この手法を応用することで、暗黒物質の反応に起因した標準理論粒子の観測を通じた探査における不定性の低減や、新たな宇宙論探査が可能となる。他にも、IceCube で観測されたニュートリノスペクトルの形状を、独立なガンマ線観測と整合的に説明する重い暗黒物質モデルを提案するなど、境界領域において幅広い成果をあげている。
また廣島氏は、国内外の研究者に呼びかけて「暗黒物質ワーキンググループ」を組織し定期セミナーや国際学会を開催するなど、天体素粒子物理学における暗黒物質研究の若手リーダーの一人として活躍している。このように廣島氏は、暗黒物質の理解を宇宙・素粒子の両方の観点から深め、日本の暗黒物質研究を率先して推進する人物であり、米沢富美子記念賞に値する。