セミナー情報
- 日時: 11月10日(月) 15:00〜
- 講師: 財前 真理 氏(東京大学)
- 題目: 高エネルギー天体現象で卓越するニュートリノ量子運動論
概要
超新星爆発や連星中性子星合体などの高エネルギー天体現象においてはその中心部に超高温高密度環境が形成され、そこでは弱い相互作用しか起こさないニュートリノが中心部から周辺への物理量の輸送を担っていることが知られている。 しかしそのような極限環境下ではニュートリノ同士の自己相互作用が無視できないレベルにまで到達し、通常の振動効果よりも遥かに短いスケールで進む、非線形なフレーバー変換現象(ニュートリノ集団振動)が発現することが明らかになってきた。 この振動現象が周囲の流体との散乱吸収などの相互作用に比べて非常に速く進行するため、天体物理学的にも一切考慮しない古典的な輸送計算結果と比べて、この量子運動論的な影響が無視できないというのである。 最近ではこの非線形なフレーバー変換をもたらす不安定性がどのような環境において引き起こされるのか、どのような漸近挙動を示すのか、そしてどのようにしてフレーバー平衡状態へと至るのかなど様々な振る舞いへの理解が急速に進みつつある。 本セミナーでは、ニュートリノ集団振動現象について導入しつつ、この量子運動論的効果がもたらす振る舞いについて紹介する。